くまの書評ブログ【すべての書籍は血肉縁】

“血”となり“肉”となり、人々の“縁”となる読書の素晴らしさを、野獣目線で呟いていきます。

約10年ぶりくらいに【夢をかなえるゾウ】を読み返してみたら

    前回は取り乱してしまいましたm(_ _)m

    さて、今回はこの数日の間に自分のことをいろいろ考える機会があったので、その話も混じえてしていこうと思います。

    その際に取り上げるのは、この本。

 

夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版

 

 

    2007年に単行本版が上梓されて大ヒットした自己啓発型の小説【夢をかなえるゾウ】。

    私がはじめて読んだのが20代の前半頃だった。

     この本は本当に画期的だった。

    当時、様々な自己啓発本が溢れている中で、敢えて小説という形態を取りつつ、「ガネーシャの教え」として、成功したいと思う人のために、歴代の成功者や偉人のやってきたことを引用して教授している。そればかりでなく、“この本に書いてあることはすでにあなたが持っている本に書いてあることばかりです”と言った具合で構成されており、それでも今こんなタイトルの本を手にとって読んでいるということは、「この本はこれまでの自己啓発本と違いますよ」というメッセージと共に「あなたは今、数々の本の言う通りにする日々を全く送っておらずに、無為に日々を過ごしていますね」という教訓をも与えた。ガネーシャと主人公のやり取りの如くハチャメチャで、挑戦的かつ斬新な本だった。
     何より、一番この本のメッセージの中で“効いた”のが、こちらだ。

「けどなぁ……期待しているかぎり、現実を変える力は持てへんのやで

     自己啓発本を読むということは、率直に言うと成功していない人にとってとてつもない娯楽だ。何故なら、本の中の成功者をイメージし、「自分もこうなれるんじゃないか?」という期待に胸を膨らませ、あまつさえ成功者になり切れることすら出来てしまうからだ。そういった手痛い現実や本質を書いた本は、今でもやはりこの本を除いて他に知らない。

 

    自分の話をしよう。

    私がこの本を読んで約10年が経過した。
結論から言うと、ガネーシャ(本書)の教えを愚直に守らなかった今の私は、少なくとも他人から見たらとても成功者とは言えない。
     10年前の私は、音楽でボーカル兼キーボードをやっていて、インディーズレーベルにも声をかけられて、ちょっと調子に乗っていた時期であった。このままいけばメジャーデビューなんて夢じゃないと思っていた。【夢をかなえるゾウ】はじめ、多くの自己啓発にかぶれていた時期でもあったので、それを少しずつでも守っていけば、成功出来るなどと思っていた。
    そして、当時は、それこそがまさに「未来に期待しすぎている」という自覚も出来ないまま、ただ無為な時間や辛い日々を過ごした。リーマンショックで仕事はクビになるし借金には追われるし、結果、晴れやかな世界に足を踏み入れることはおろか、インディーズレーベルでCDすら出せずに終わった。おまけに、大した理由もない癖に自分で勝手に音楽の夢まで諦めた。少なくとも、この本をはじめて読んだ時の夢をかなえることはとても出来なかった。それもこれも全て、努力不足云々の前に現実を見ておらず、何より自分というものをしっかり理解していなかったためだ。
     とはいえ、この10年間不幸だったというわけではない。いろいろな仕事も経験出来たし、結婚もできたし、何より生まれつき患っているとある持病もだいぶ寛解しているし、そのおかげで今また、第3種電気主任技術者電験3種)の資格を取ってバリバリ仕事をしたいと思えるようになったり、新たな夢をかなえるために努力出来る環境にある。
    全部ひっくるめて、いろんな経験が出来て良かったと思っているし、これからもどんどん成功も失敗もしていきたいと思っている。
     もうとっくに30過ぎているし、あまり失敗ばかりでは取り返しがつかなくなるのではないかという不安もなくはないが、それでも、若い時の自分の頃のように自己理解も自己表現もまともにしようとせずに後悔していた時に比べればマシになっている……と思いたいσ(^_^;)

     話を元に戻して、この本のことを。

     この頃、もう一度、私はこの本を時々読み返しては、楽しませてもらっている。今度は、書いてあることを愚直に守るためでなく、あくまでエンターテインメントとして読むために。
本書に書いてある課題は素晴らしい内容ばかりだし、ググればいろんなサイトやNAVERまとめにも載っているくらいだが、課題を全部やりきるのが自分の人生そのものではないし、こう言ったペースメーカー的な役割として使おう、という割り切りで自己啓発本を読むのもまた面白い、と思った次第である。

    なんか、まとまりもとりとめもない文章になってしまったが、要するに何が言いたいかというとーー
     私は、専業ミュージシャンとか、そういう若い頃の夢は叶わなかったけれど、一番の目的である
「幸せになること」
    今の自分が、その最大の目的を継続出来ているということである。
    だが、これに満足してはいけないのは当たり前。
    幸せは、得るよりも、守り続けることの方が大変なのだから。