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くまの書評ブログ【すべての書籍は血肉縁】

“血”となり“肉”となり、人々の“縁”となる読書の素晴らしさを、野獣目線で呟いていきます。

原田マハを全く読んでいないけれど

    もちろん、原田マハという作家が嫌いとか、本を読みたくないというわけではない。機会があったら是非読みたいし、お勧めされたら時間の許す限り手に取って読もうと思う(余談ですが、現在は、ここのブログでコメントして下さった方の紹介で、三浦綾子さんの小説を読んでいます)。

    しかし、原田マハ氏の兄である原田宗典の方は、10代の頃読みまくった。死ぬ程読んだ。

    その、10歳の頃初めて出会った本が、東京困惑日記。

 

東京困惑日記 (角川文庫)

東京困惑日記 (角川文庫)

 

 

    本書は原田宗典氏のエッセイの中では、比較的文字量の多い作品なのだが、あまりに笑いすぎて、面白くて(特に「ビロウな話」は笑いすぎて顎が外れた記憶がある)、同時に「漫画やアニメではなく、文章だけでこんなに人を笑わせることが出来るんだ……」と思ったものだった。
    そして、「大きくなったら私も小説家になろう!」なんて思って新人賞に何度送っては玉砕しまくった経験もあるのだが、それはどうでもいいし別のお話。

他にもこんなエッセイ集が面白いし、オススメ。

 

むむむの日々 (集英社文庫)

むむむの日々 (集英社文庫)

 

 

 

東京トホホ本舗 (新潮文庫)

東京トホホ本舗 (新潮文庫)

 

 

吾輩ハ苦手デアル (新潮文庫)

吾輩ハ苦手デアル (新潮文庫)

 

  

日常ええかい話 (集英社文庫)

日常ええかい話 (集英社文庫)

 

 

    これらの作中には、幼い頃の原田少年が、妹(つまり現在の原田マハさん)のことを叩いたりぶったり、頬をつねったりヘッドロックをしたりヒドいことをしている描写があったりする。私も読んでて子供ながら「ギャグだからって、兄が妹にこんなことするなよっ!」と突っ込みながら読んでいた。しかしその一方で、処女作の編集の中では、原田宗典氏が20代の頃に応募した小説で賞を取り、マツダのカペラを賞品として受け取り、売却して得たお金の半分をマハ氏の大学の学費にあてた、というお話もあって、素晴らしいとも思った。
    その原田マハ氏が、今かなりの売れっ子作家になっているのは、(未読とは言え)感慨深いものがある。

    原田宗典氏は、1995年くらいから鬱病を発症し、それからもいろいろあって、現在は作家としての活動があまり活発化しておられない様子だが、もう一度あの爆笑エッセイを読みたい、と時々思う。エッセイだけでなく、「スメル男」「平成トムソーヤー」などの長編小説も当時ワクワクしながら読んだ。

    まだ子供だった頃の私に、文章を読んで人を興奮させ、笑わせるという世界に誘ってくれた原田宗典氏に、この場を借りてお礼を申し上げたい。
    そして、私達をこれからもっと沢山楽しませてくれるであろう原田マハ氏にも期待の思いを。