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くまの書評ブログ【すべての書籍は血肉縁】

“血”となり“肉”となり、人々の“縁”となる読書の素晴らしさを、野獣目線で呟いていきます。

“1から10だけではもう古い【超図解「デザイン思考」でゼロから1をつくり出す】

 

超図解「デザイン思考」でゼロから1をつくり出す

超図解「デザイン思考」でゼロから1をつくり出す

 

 

 

説明するまでもなく、日本語は中国大陸から伝来し、僅かな語彙から様々な派生を経て誕生したものだ。しかもその形は日本独自に改良を重ね、現在にまで根付き、守られ続けている。


また、16世紀、ポルトガル人からたった2挺の鉄砲を買った種子島の八坂金兵衛は、一年後には10挺を制作し、数年後には種子島には600挺の鉄砲があったという。改良に改良を重ね、種子島という名の火縄銃は、本場のヨーロッパ をしのぐ、猛烈な早さで日本全国に流布し、その機能の改良もヨーロッパ 以上に進んだ。その種は忽ち(たちまち)コピーされて、全国に普及したことだった。鉄砲はその半世紀も前に中国 に伝わったのに、シナ人の中華思想で真似することも、その技術もなかった。

 

他にも、船、菓子、火薬、アニメーション、電卓、タイプライター、インスタント食品、他多数。日本生まれではないものの、日本で他の追随を許さないほど改良され、世界中に広まったものを挙げれば枚挙に暇がない。

日本は非常にアレンジメントや小型化、軽量化、効率化が大好きだ。

戦後日本にアメリカに目をつけられ、猿真似だと揶揄され続けながらも、高度経済成長を果たせたのも宜なるかな。


しかし

日本の弱点が現在露呈しつつある。

その弱点は

0から1を作り出す能力だ。

 

日本は、上記の言語や銃の例を紐解いてわかるように、1から10への進化、改良は得意であるものの、何もない、すっからかんの状況からの開拓は非常に苦手だ。

科学や発明だけでない。このことは教育や文化にも当てはまる。

 

日本は、幼いうちから個人の特性や苦手項目を度外視し、常識や社会通念を植え付ける。そして、出来る者の選出を見出して伸ばすばかりで、出来ない者に対するフィードバック、機会の提供の数、教育の質が非常に低い。横並びありきの教育で、だからこそ落ちこぼれる者は落ちこぼれ、引きこもりやニートといった人間が増加し、放っておかれる。

ゆとり教育が広まるまでは議論すらされてこなかった話だが、大変由々しき事態だ。

 

もういい加減ここで気付くべきだろう。

日本でも、ゼロからイチを生み出すことの必要性があることを。

大げさに言えば、今は日本史のターニングポイントだ。

日本の文化や教育が欧米化したというのであれば、上っ面な英語教育やフレックスタイムを導入するのではなく、本質から真似ていき、盗むべきだ。

そして日本は今後、一人一人に

ゼロからイチを生み出す教育

1から10を「自分の力で」身につけられる文化

を、育成出来る。

そのような環境を作っていくべきだろう。
(ちなみに、今更だが、本書ではそれを最初にデザイン思考と呼んでいるが、一般的にイメージされるファッションやグラフィック以外のデザイニングのことも全部含めて指している)


まだまだ日本は詰んでいない。

これからの日本は、ゼロからイチを生み出すべきだ。

引きこもりがなんだ。ニートがなんだ。
社会経験がないのがどうした、学歴なんか糞食らえ。

課題は残されている。日本は若者の自殺率が世界でもトップクラスだが、これだけやれることがあれば、自殺などしている場合ではない。

むしろ今の日本は明るい。何故なら、やれることや、チャンスがたくさんある。

一見そんなものない、特に若者には絶望しかないように見えるが、それを示していく文化の土台を作ること。今の日本に必要なのは金でも新たな法律でもない。

ゼロからイチを作るための文化・教育だ。

そのために、社会を変えていくことが必要となってくるだろう。

誰かが変えてくれるのを待つのではなく、全員が一丸となって変えていくのを。

そのためには、まず自分が変わればそれでもうほぼクリアだ。

人を意図的に傷つけたりするのでなければどんな方法でも良いから、自分を変えてみよう。