くまの書評ブログ【すべての書籍は血肉縁】

“血”となり“肉”となり、人々の“縁”となる読書の素晴らしさを、野獣目線で呟いていきます。

枯れ専だっていいじゃない【恋は雨上がりのように】

 

恋は雨上がりのように(1) (ビッグコミックス)

恋は雨上がりのように(1) (ビッグコミックス)

 

 

 評判がよかったので買って読んでみたら。

 はい、サイクルヒットです。

 絵柄、主人公、ストーリー、テーマ、全てヒットであり、ホームランでした。

 でもちょっと今金欠なのでとりあえず1巻だけを読んで、その1巻のみの感想を書きます(なんだそりゃ)。

 

 女子高生の主人公が恋しているのは、バイト先の店長。しかも冴えないおっさん。

 

 例えばメジャーなタイトルの乙女ゲームでは絶対攻略対象じゃねーよこんなおっさん、というのが少し前までの印象だった。しかし最近はどうか? 全くそんなことはない。あの某六つ子アニメだってゲーム化される時代だ。こんなのありえない、と思う方がナンセンスだろう。それでいて本作は、古典的な甘酸っぱい恋模様や切なさといった基本点を押さえておきながら、きちんと今の流行も取り入れているので、文字通り女子高生からおっさんまで幅広く読める内容となっているな、という印象を抱いた。

 普通この本のようなキャッチや触れ込みであれば、男目線で、しかもかなり(その男にとって)都合よく物語が進み、本当に恋愛ゲームのような一方通行さが否めない作品が非常に多かったのだが、本作は人間ドラマのように淡々と話が進んでいく。それでいて主人公を含めてキャラクターに感情移入できる隙が少ないだけに、物語を俯瞰するような感覚で没頭できた。そしてこの一巻目の最後の辺りから、いきなり怒涛の展開でしめられる――

 なんでこんな作者の筆圧が非常に感じられる主人公から、おっさん店長が好かれているのかわからない、という疑問が、ページを読み進めていくうちに氷解していくのもまた面白い。別に特別何かかっこいいことをしたとか、実はものすごい人だったとか、そういう無駄な味付けをしていないから、主人公の目線で描かれつつ進んでいく展開がよりリアルかつ純粋に見える。現実の若い女性が40代以降の中年を本気で好きになるというのは全然珍しいことでも何でもなく、意外と普通によくあることなんじゃないか、と思えるようになってきた。だって若い人より苦労も重ねているから包容力もあるだろうし。そう考えると、ストレスで十円禿があったり忙しい毎日でチャックを締めるのも忘れていたり体臭があったりなんていうのも、男の読者である僕が見ても十分にかっこいい勲章に見えてしまう……ような気も起きたりなんかした。

 さてさて、2巻目以降はどうなるやら。片想いの描写のみで長い間引っ張るのだろうし、しばらくそんな感じで続いてもいいかな、と思っていたが、もしかしたらこの最後の展開からして……

 

 うん、やっぱり2巻目以降もけちけちせずに、アマゾンでポチっと。

 

 そして

 とりあえず今願う事

 絶対ドラマ化はしてほしくない。